テキストファイルの転送は、特にポケコン→パソコンへの転送は、物理的によほど問題がない限り、すんなりできます。
逆の言い方をすれば、これができないようではハードウエアの不具合を疑わざるを得ません。
接続ケーブルを自作した場合では動作確認の手っ取り早い手段でもあります。
それでは、始めますか。
ポケコンは、ここではPC-G850以降の機種を使用しているものとして説明しますが、それより古い機種でもボーレートの上限や画面の広さを除けばそれほど変わらないはずです。
パソコン側のソフトはPC-Gリンク以外でもいいですが、操作が簡単なのでここではPC-Gリンクを使用します。
ダウンロードがお済みでない方は、このページからダウンロードして下さい。
接続ケーブルは、物理的に問題がなければ何でも構いません。
このサイトで作り方を紹介している「簡易型シリアルレベルダウンコンバータ」でも、「改良型USBシリアルコンバータ」でも、高松製作所の「パソコン接続ケーブル(USB)」でも、何でもOK。
ただし、ハードウエアフローに対応している方が私は嬉しいです。
先に述べた通り、ポケコン→パソコンの転送の方が成功率が高いので、ポケコンでテキストファイルを作りましょう。
ポケコンの電源を入れ、[TEXT]キーを押します。
*** TEXT EDITOR *** Edit Del Print Sio File Basic Rfile
Dを押して、テキストエリアのデータを消去します。
残したいものがある場合は、保存して下さい。
TEXT DELETE OK? (Y)
と聞かれたら、Yキーを押して消去します。
*** TEXT EDITOR *** Edit Del Print Sio File Basic Rfile
この画面に戻るので、Eを押して編集画面に入ります。
TEXT EDITOR <
それでは例題として、C言語のプログラムソースを書いてみましょう。
[CAPS]キーを押して、小文字にするのを忘れないで下さい。
10main(){ 20 printf("hello,world.¥n"); 30}
これで、転送するテキストファイルが完成しました。
蛇足ですが、[SHIFT] + [TEXT]でC言語に入り、Gを押すと実行できます。
通信設定を行う前に、一つ重要な事があります。
それは、お使いになるケーブルがハードウエアフローに対応しているか否か、です。
このサイトで紹介している「簡易型シリアルレベルダウンコンバータ」「改良型USBシリアルコンバータ」は、ハードウエアフローに対応しています。
[TEXT]ボタンを押してメニューを呼び出し、Sを押します。
<< SIO >> Save Load Format
Fを押します。操作説明が出るので、適当なキーを押して下さい。
baud rate =1200 data bit =8 stop bit =1 parity =none end of line =CR LF end of file =1A line number =yes flow =RS/CS
一画面には収まり切らないので、上下にスクロールして項目を確認して下さい。
太い→がある項目を上下キーで選び、左右キーで値を選択します。
気をつけなければならないのは、左右キーで設定を変更したら、必ずその場でリターンを押さなければならないと言う事です。
リターンを押さずに上下キーで別の項目へ移動すると、設定値は変更前に戻ってしまいます。
それと、end of fileだけは設定方法が他と違います。
左右キーを押すと文字入力待ち状態となるため、EOFコードをアスキーコードの16進数で入力します。デフォルトは1Aです。
それでは各項目を設定しましょう。
オールリセット後は1200になっていますが、9600にしておきましょう。
G830以前の機種では4800が最大です。
8のままでいいです。
1のままでいいです。
noneのままでいいです。
CR LFのままでいいです。
1Aのままでいいです。
yesのままでいいです。
接続ケーブルがハードウエアフローに対応していればRS/CSを、非対応ならXon/Xoffかnoneにします。
設定が完了したら、必ず一番上まで戻って、設定値が正しいか確認して下さい。
リターンを押し忘れて変更が反映されていない箇所が、慣れるまでは必ず出てきます。
PC-Gリンクを立ち上げます。
デフォルトでインストールした場合、スタートメニュー内の場所は
スタート > すべてのプログラム > SHARP PC-Gリンク > PC-Gリンク
です。
立ち上がったら、メニューバーの
通信(C) > COMポートの設定(C)
から、設定画面を開きます。
ポケコンの設定画面とは一部順番が異なる項目がありますが、一目見ればどの項目がポケコンと対応するかはわかると思います。
日本語と英語の対照がわからなくても、選択できる項目を見れば迷いようがありません。
言うまでもありませんが、ポケコンの設定に合わせて下さい。
ここで気をつけなければならないのは、一番上にある「ポートの設定」です。
物理的なシリアルポートの数とは関係なく、COM1からCOM4までの選択項目があります。
言うまでもありませんが、接続ケーブルを差したシリアルポートの番号を指定して下さい。
接続ケーブルを差したシリアルポートの番号がわからない場合は、デバイスマネージャで調べます。
デバイスマネージャの出し方がわからない場合は「COMポート競合の解消法」を参照して下さい。
通信設定が完了すれば、いよいよ転送です。
パソコンのPC-Gリンクのメニューバーから
通信(C) > 受信(R)
を選択します。
新規ファイルが自動的に用意され、「通信の準備ができました」というダイアログが表示されます。
ポケコンでは、テキストエディタから
S,S
と押します。
*** TEXT EDITOR *** Edit Del Print Sio File Basic Rfile
<< SIO >> Save Load Format
この程度の通信量なら一瞬で終わってしまうため、ポケコンの画面ではチラツキを感じる程度でSIOの画面に戻ります。
それでもPC-Gリンクには、ポケコンで打ち込んだCのソースが表示されているはずです。
手順としては、送信と受信が入れ替わっただけです。
ポケコンに送るファイルをPC-Gリンクに用意します。
などなど。
ここではポケコンから転送したCソースを、ポケコンに送り返してみます。
前準備として、ポケコンのテキストエディタのデータを消去します。
テキストエディタのメニューでDを押します。
*** TEXT EDITOR *** Edit Del Print Sio File Basic Rfile
TEXT DELETE OK? (Y)
消してもよいか確認されるので、Yを押します。
テキストエディタの中身が無いことを編集画面で確認して下さい。
再びテキストエディタのメニューから
S,L
とキーを押して、受信待機させます。画面にはRECEIVEINGと表示されます。
PC-Gリンクで、先ほどポケコンから受信した新規文章をアクティブにして、メニューバーの
通信(C) > 送信(S)
を選択します。
すぐに「送信が完了しました」と表示されます。
ポケコンは、SIOメニューに戻っています。
ポケコンのテキストエディタの編集画面で、データが受信できている事を確認して下さい。
送受信で気をつけてほしいのは、操作の順序です。
かならず、先に受信側を待機させておいてから、送信です。
これはフロー制御があっても変わりません。
特にwebサイトからコピー&ペーストでPC-Gリンクへ貼付ける場合に発生しやすいのですが、ポケコンに送信しようとしても「行番号がありません」というエラーが出て送信できない場合があります。
このエラーはその通り、行番号がない行が存在する事を警告しています。
下の画像を見て下さい。
この場合、1380行のさらに2行下にカーソルがあります。
これは1380行の改行からEOFの間に、改行がある事を示しています。
改行が一つ余分なので、BSなりDelなりで改行を一つ消します。
これでポケコンに転送できるようになります。
蛇足ですが、PC-Gリンクではポケコンに送信する前にチェックする事で日本語で警告してくれますが、ターミナルソフトで転送した場合はポケコンに「ILLEGAL LINE NO」と英語で警告される上に、エラー発生までに転送されていたデータは廃棄されます。