COMポート競合の解消法

最終更新日:2016年3月9日

概要

パソコンとポケコンを接続するには、シリアルポートを介する必要があります。たとえUSB-シリアル変換モジュールを使用しても、パソコンからは「仮想シリアルポート」と認識されるため、取扱いはシリアルポートそのものです。

シリアルポートを使用するハードウエアはポケコンのみならず、モデム、PDA、GPSレシーバ、携帯電話データ転送ケーブル、PHSカードなど多岐に渡ります。にもかかわらず、それらは1台で1ポートを占有します。

対して「必要な機器を必要な時だけ接続する」ことを前提に設計されている(PC-Gリンクなどの)旧来のソフトウエアの多くは、COM1からCOM4までしか判別できません。現代の仮想COMポートを使用するソフトは、それらの多くがCOM1からCOM255まで対応します。

COMポートは早い者勝ちで若い番号から割り振られるため、USBシリアルコンバータ等を接続してもCOM7などが割り当てられ、PC-Gリンクを使用できない場合があります。

ここでは、そのようになった時のための対処法を説明します。

現状を調査する

はじめにUSBシリアルコンバータを接続します。
ドライバはインストールしておきます。

デバイスマネージャを表示させます。

XPでは、マイコンピュータを右クリックし「プロパティ」をクリック。
「システムのプロパティ」ウインドウが開くので、「ハードウェア」タブをクリックし、「デバイスマネージャ」ボタンをクリックします。

システムのプロパティウインドウ

Vista,7では、スタートメニューの中のコンピュータを右クリックし「プロパティ」をクリック。
「システム」ウインドウが開くので、「デバイスマネージャ」をクリックします。

システムウインドウ

10では、スタートメニューの中の「設定」をクリックし、出てきたウインドウの「システム」をクリック。
左下にある「バージョン情報」をクリックし、右側をスクロールして下の方にある「デバイスマネージャ」をクリックします。

システムの設定ウインドウ

デバイスマネージャ自体はXPもVistaも7も変わらないのでVistaのもので説明します。

デバイスマネージャが表示されたら、「ポート(COMとLPT)」アイコンの左の[+]をクリックして、中身を表示させます。
USBシリアルコンバータである「USB Serial Port(COM6)」をダブルクリックします。(COM6)の部分は環境により変化します

デバイスマネージャ

するとプロパティが表示されるので、「ポートの設定」タブをクリックし、「詳細設定...(A)」ボタンをクリックします。

デバイスのプロパティ

「COMポート番号」をクリックしてCOMポートの空き状況を確認します。
(使用中)となっているポートは、既に他の機器に占有されています。

COMポート番号設定

占有機器の調査

前の段階で、使用されているCOMポート番号は判明しました。
ここでは、どの機器がその番号を使用しているか調べます。

下にあげる機器を使用した事があれば、接続します。接続した覚えがなければ、そもそもこのページを見る必要はないはずです。

なお、内蔵モデムやIrDAを装備していたり、シリアルポートを持っているコンピュータの場合はCOM1やCOM2ははじめから使用中となっています。

接続したら、改めてデバイスマネージャを表示させます。

「ポート(COMとLPT)」を確認すると、項目が増えている事がわかります。
画面例では、SUNTACのUSB COM Portとau USBケーブルを接続しています。

「ポート(COMとLPT)」に項目が増えない場合はここを見て下さい。

機器名の後ろに(COM4)とか表示されているのが、その機器に割り当てられたCOMポートです。

デバイスマネージャ

ここではau USBケーブルのCOMポート番号をCOM8に振り替え、空いたCOM2をUSBシリアルコンバータで使用する事にします。

ポートの振り替え

デバイスマネージャの「_au T001 Serial Port(COM8)」をダブルクリックしてプロパティを表示させ、「ポートの設定」タブをクリックします。

「詳細設定(A)...」ボタンをクリックします。

プロパティ

詳細設定画面の「COMポート番号」をCOM8にします。
(使用中)でなく、かつCOM5より大きい番号であれば、どこでも構いません。

プロパティ

設定が終わったら一度機器を取り外し、再度接続して問題がないか確かめて下さい。
変更した機器を使用するソフトウエアが、COMポートを手動設定しなければならない場合は、新しく割り当てたCOMポートに設定し直して下さい

au USBケーブルの場合、LISMO Portならびに関連するソフトウエアは、COMポート番号を自動認識するため設定を変更する必要はありませんでした。

問題がなければ、同様にUSBシリアルコンバータのCOMポート番号を変更します。

デバイスマネージャ
デバイスのプロパティ
COMポート番号設定

これでUSBシリアルコンバータにCOM2を割り当てる事ができました。

デバイスマネージャ

使用前には必ず一度USBシリアルコンバータをコンピュータから取り外し、再度接続して下さい
これを行わないと、いつまでたっても「COMポートを開けません」という警告が出て通信できません。

モデムや仮想COMポートを使用する機器の場合

USB機器を接続しても、デバイスマネージャの「ポート(COMとLPT)」に表示されない場合は、接続した機器がモデムであるか、仮想的にCOMポートを消費する機器のどちらかが考えられます。

モデムの場合はデバイスマネージャに「ポート(COMとLPT)」とは別に「モデム」という項目があるので、モデムのプロパティからモデムに割り当てるCOMポート番号を変更します。

デバイスマネージャのモデム機器をダブルクリックするとプロパティが開きます。
「詳細設定」タブをクリックし、「ポートの詳細設定」ボタンをクリックします。

モデムのプロパティ

ウインドウ下部にある「COMポート番号」を空いている番号に変更します。

モデムのプロパティ

モデムでもない場合、すなわち仮想的にCOMポートを消費する機器の場合ですが、GPS受信機等がこれに該当します(以後「乙」と呼ぶ)。

この場合、ユーザがCOMポート番号を変更する事は不可能です。他のUSB機器でポート番号を振り分けるか、それが嫌なら乙をアンインストールして下さい。

アンインストールしてポートが空いたらUSBシリアルコンバータのCOMポートの設定を行い、再度乙をインストールすれば、乙には空いている他のCOMポートが割り当てられます。

それでもわからん!

諦めましょう。

ここまで説明されれば、どこにどんな設定項目があって、どういじればどう変化するか、見当がつくようになっていなければなりません。

わからないから、できないから、書いてあるように操作する。それではあなたのスキルはいつまでたっても変わりません。

わからないなら、調べる。なぜそこを操作するのか、考える。それができなければ、パソコンで電子工作を楽しむ資格はありません。

この件でメールを送ってこられても、私は無視します。どうせ本文は「書いた通りにやったができない」としか書かれていませんから。私はエスパーではないので、あなたのコンピュータがどのような環境なのか、判る訳ないですから。

逆にそんなメールで返事を書けというのなら、医者に電話で「体がだるいです、私は何の病気ですか。」と聞くようなものです。