小さいきっぷで新幹線に乗れる!?

最終更新日:2019年3月31日

小さいきっぷで新幹線に乗れる!?

小さいきっぷで新幹線に乗れるのか

券売機で買った近距離きっぷ

「小さいきっぷ」とは、近距離自動券売機で購入できる、「○○→●●●円区間」と表示されているきっぷです。

きっぷを券売機で購入するとき、券売機の上などに掲示してある地図式運賃表で目的の駅までの運賃を調べ、その金額のきっぷを購入しますよね。
あの、オレンジ色の小さいきっぷでも新幹線に乗ることができるのでしょうか。

答えを言ってしまえばYesなのですが、実際に小さいきっぷで新幹線に乗ってみたので手順を説明します。

小さいきっぷで新幹線に乗る手順

今回は豊橋から浜松まで小さいきっぷ新幹線に乗ってみようと思います。

JR線・名鉄線改札口の近くにあるJRの近距離券売機の前へ行き、地図式運賃表で浜松までの運賃を調べます。
浜松までは670円なので、近距離券売機で670円のきっぷを買います。

普通ならこのきっぷを持って隣の改札口を通り、浜松方面の普通列車に乗ります。
しかし、今回はこのきっぷで新幹線に乗ります。
次に新幹線自動きっぷうりばへ移動します。

新幹線自由席特急券

新幹線改札横の、指定席も購入できる券売機で、豊橋から浜松までの新幹線の自由席特急券を買います。

画面をタッチして進めていくと、「乗車券はどうしますか」と聞かれますが、「特急券のみ購入」のボタンを押して自由席特急券のみ購入します。

係員窓口で購入する際は、小さいきっぷを見せて「これは持っています」と言えば、自由席特急券のみ購入することができます。

新幹線改札口

小さいきっぷと新幹線自由席特急券を持って、改札口に向かいます。

ここからは画像とテキストでは説明が難しいので、動画をご覧ください。

はい。小さいきっぷでも新幹線特急券と組み合わせることで、自動改札機を通過することができました。

私の勘違いしていたこと

私は6歳から8歳まで、親の仕事の都合で関東に住んでいました。
期限付きでUターンが約束されていた転勤だったので、長期休暇の時は東三河の実家に戻っていました。

行き帰りは新幹線を使っていたのですが、その頃の私は勘違いをしていました。

例えば、岡崎から豊橋まで東海道線、豊橋から東京まで新幹線、東京から舞浜まで京葉線で行くとします。
幼い頃の私は、下図のように考えていました。

間違った考え方

新幹線は、新幹線区間で値段が決まっていて、前後の在来線部分はそれぞれ別に値段を算出するものだと思っていたのです。

この考え方であれば、豊橋駅では新幹線の豊橋から東京までを買えばよく、窓口に並ばなくても券売機できっぷが買えることになりますが、母は毎回必ず係員がきっぷを売っているブースに行ってきっぷを買っていました。
ある時、「機械できっぷ買えるじゃん」と言ったのですが、「機械じゃ買えないから」と言われて何でだろうと思ったことがあります。

正しい考え方

正しい考え方をつらつらと述べれば、「出発駅から目的駅までの距離で算出される運賃を乗車券として購入し、新幹線を利用する区間については区間ごとに料金が定められた「新幹線特急券」を付け足せば、「運賃+特急料金」で新幹線に乗車することができる。」です。

言葉だけではわかりにくいと思うので、図をご覧ください。

正しい考え方

まず、岡崎から舞浜までの乗車券を購入します。
運賃(乗車券の値段)は距離によって算出されます。
岡崎から舞浜までの距離を時刻表で調べると、337.3kmで運賃は5,620円。

次に、豊橋から東京までの新幹線特急券を購入します。
豊橋から東京までの新幹線自由席特急料金を時刻表で調べると、3,340円。

在来線-新幹線-在来線と乗り継ぐ場合に必要なきっぷは、出発駅から目的駅までの距離で決まる運賃の乗車券と、新幹線利用区間の新幹線特急券です。
岡崎から舞浜までの乗車券と豊橋から東京までの新幹線自由席特急券があれば、岡崎から豊橋まで東海道線、豊橋から東京までは新幹線の自由席、東京から舞浜まで京葉線で移動することができます。

少々乱暴な言い方をすれば、ベースになる乗車券に、新幹線に乗る区間のみオプションとして付け加える形で新幹線特急券をプラスすればいいのです。

小さいきっぷで新幹線に乗れる理由

ここまで読んでいただければ、小さいきっぷで新幹線に乗れる理由がお分かりいただけると思います。

豊橋から浜松までの運賃は670円なので、「豊橋→670円区間」の小さいきっぷ(乗車券)があれば、それに「豊橋→浜松」の新幹線自由席特急券をプラスすれば、新幹線に乗れるのです。

この、「出発駅から目的駅までの乗車券」+「新幹線や特急列車に乗る区間の特急券」という考え方は、どんなに長距離になっても変わりません。

例えば、新城から豊橋まで飯田線、豊橋から姫路まで新幹線、姫路から鳥取まで特急スーパーはくとの場合、必要なきっぷは、乗車券が新城から鳥取まで(飯田線・新幹線・山陽本線・智頭急行・因美線経由)、新幹線特急券が豊橋から姫路まで、特急券が姫路から鳥取までです。

青春18きっぷでは特急・新幹線には乗れません

乗車券に特急券をプラスすれば新幹線や特急に乗れると説明しました。

こう書くと、「ならば乗車券として青春18きっぷを利用し、特急券をプラスすれば新幹線や特急にも乗れるのではないか?」と考える方が見えるかもしれません。
結論から言えば、これはノーです。

青春18きっぷは通常の乗車券ではなく「特別企画乗車券」(通称:トクトクきっぷ)です。
これは、割引する代わりに利用条件を普通の乗車券より厳しくしています。 青春18きっぷには「特急(新幹線含む)急行列車及びJRバスを除く」と書いてあります。
通常の乗車券であれば特急券をプラスすれば新幹線や特急列車に乗れますが、青春18きっぷではできません。